大人の習い事を辞めたい…角を立てずにやめる伝え方と準備

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「もう辞めたいな…でも、言い出せない…」

大人になって始めた習い事。

最初はワクワクして通っていたのに、ある時から「ちょっと違うな」と感じ始めてしまった。

でも、講師や仲間の目が気になって、ついズルズルと通い続けてしまう――こんな経験、ありませんか?

社会人としてのマナーや人間関係も絡んでくる大人の習い事は、「辞める」と決めるだけでも一苦労。

しかも、その「辞める理由」を相手に伝えるのは、もっと難しい…。

本記事では、そんな「言いづらさの正体」と、上手に辞めるための言い方やマナーを徹底的に掘り下げます!

「辞めたいけど、人間関係を壊したくない」

「罪悪感なく終えたい」

そんなあなたに寄り添いながら、丁寧に解説していきます。

なぜ大人の習い事は“辞めづらい”のか?

「大人になってまで、なんでこんなに気を使うの?」

そう感じる人は少なくありません。大人の習い事が“辞めづらい”理由は、単純なものではないのです。

人間関係ができているからこそ、言い出しにくい

大人の習い事では、講師や生徒同士の距離感が近くなる傾向があります。

定期的に顔を合わせることで自然と親しみが生まれ、気まずさや申し訳なさを感じやすくなるのです。

とくに「この人に会うのが楽しみで通ってる」という人間関係ができていると、「辞めます」と言うことで相手をがっかりさせてしまうのではないかと考えてしまいます。

「せっかく仲良くなったのに、裏切るようで気が引ける…」

この心理が、辞める決断を鈍らせているのです。

継続することが“美徳”とされる社会的価値観

「一度始めたことは続けなさい」「途中で投げ出すのは良くない」――日本社会にはこうした価値観が根強くあります。

とくに大人になると、「やると決めたなら最後まで責任をもってやるべき」と考える人が多く、たとえモチベーションが下がっていても、義務感で続けてしまうケースが増えるのです。

しかし、趣味やスキルアップのための習い事において、自分の気持ちを押し殺して続けることが本当に正解なのでしょうか?

辞める理由をうまく伝える難しさ

「なんて言えば角が立たないかな…」

辞めたい理由がネガティブであるほど、それをどう表現するかが悩みの種になります。

たとえば「先生と合わない」「内容に満足できない」といった理由は、正直に伝えることで人間関係にヒビが入る可能性があるため、つい無難な嘘をついてしまう人もいます。

ですが、その嘘に後ろめたさを感じて、さらに言い出せなくなる…という悪循環に陥るのです。

辞める理由を伝える“正しい言い方”とは?

辞めると決めたら、次に立ちはだかるのが「どう伝えるか?」という壁。

ここでつまずいてしまう人が多いのですが、実はコツさえ押さえれば、円満に辞めることは十分可能です!

ネガティブな本音は“ポジティブに変換”する

本当の理由が「先生と合わなかった」「効果が感じられない」などであっても、正直にぶつけると関係がギクシャクする可能性があります。

そのため、あくまで「自分側の都合」を前面に出すのがベターです。

たとえば――

本音:「期待したほど内容が浅かった」
言い方:「自分が求めていた方向性と少し違っていたので、別の方法を模索したいと考えています」
本音:「講師と相性が合わない」
言い方:「自分の性格上、もう少し一人で学べる環境の方が合っていると感じました」

このように、主語を「自分」にして伝えることで、相手のプライドを傷つけずに本心をにじませることができます。

感謝の言葉を最初と最後に添える

言いづらいことほど、丁寧な言葉選びが重要です。

辞める理由の前後に「感謝」の気持ちをしっかり込めることで、誠意が伝わりやすくなります。

「これまで本当にお世話になり、たくさん学ばせていただきました。その上で、自分の今後の時間の使い方を見直した結果、いったん区切りをつけたいと考えています。ありがとうございました。」

このように、感謝 → 理由 → 感謝 の順番で話すと、相手も受け止めやすくなります。

口頭か?メールか?伝える手段の選び方

どのように伝えるかも悩みどころです。

信頼関係が深い場合は、対面または電話で伝えるのが基本。

一方で、関係性がそれほど強くない、または物理的に会いづらい場合は、丁寧な文章のメールや手紙でも失礼にはあたりません。

重要なのは、「突然来なくなる」「連絡がつかない」という事態を避けること。

相手に対する礼儀を忘れず、丁寧な別れ方を心がけましょう。

辞めた後に後悔しないためにできること

「本当にこれでよかったのかな…」

辞めた直後に、そんな気持ちが押し寄せてくることは珍しくありません。

ですが、事前にしっかり準備しておけば、その後悔はグッと減らせます!

辞める前に「目的」と「ゴール」を再確認する

そもそも、習い事を始めたきっかけや目的は何だったのか?

「資格が欲しかった」「気分転換がしたかった」「人との交流が目的だった」など、振り返ることで「本当に辞める必要があるのか?」を冷静に見極められます。

また、すでに目的をある程度達成していた場合、「やり切った」と感じることができるため、未練なく辞める判断がしやすくなります。

モヤモヤは“言語化”してノートに書き出す

理由が漠然としているままだと、辞めた後に「本当は違ったのかも…」と迷いが生じやすくなります。

そのため、「なぜ続けたくないのか」「辞めたあとどうしたいのか」を紙やスマホのメモに書き出して整理するのがおすすめ。

「時間が足りない」
「他にやりたいことがある」
「なんとなく気が進まない」

これらを明文化するだけでも、決断に自信が持てるようになります。

次のステップを“先に”考えておく

辞めた後に訪れる「ぽっかり空いた時間」。

これを「無駄にした」と感じてしまうと、強い後悔が生まれやすくなります。

そこで有効なのが、「辞めたあとのプラン」をあらかじめ考えておくこと。

たとえば――

  • 今までの学びを活かして独学に切り替える
  • 興味が湧いていた別のジャンルにトライする
  • 休息時間としてしっかりリフレッシュする

このように、次の一歩を意識するだけで「終わり」ではなく「切り替え」として前向きに捉えられます。

大人の習い事、“辞める”は悪じゃない!

「途中で辞めるなんて、無責任じゃない?」

そんなふうに感じてしまう気持ち、わかります。

でも本当にそうでしょうか?

実は、“辞める”という行動は、あなた自身を大切にするための、前向きな選択肢でもあるんです。

“やめる勇気”は、“選び直す勇気”

大人の習い事は、義務ではなく「自分のため」のもの。

だからこそ、「違う」と思ったときにやめることは、逃げではありません。

むしろ、自分の時間やエネルギーをどう使うかを見直すチャンスでもあります。

「合わなかったらやめていい」
「もっと自分に合う何かを探していい」

そう考えられるようになると、選択肢の幅も、人生の自由度もグッと広がるのです。

「辞めたからこそ」見える景色がある

辞めて初めて、「あれは自分に合っていなかったんだ」と気づけたり、「実は別のことにもっと興味があった」と思えたりすることもあります。

つまり、やめることは“終わり”ではなく、“気づき”の始まりなのです。

たとえば、英会話スクールを辞めた後に「本当はフランス語を学びたかった」と思い出した方や、ピアノをやめて時間ができたことで副業にチャレンジできた方など、たくさんの例があります。

自分の時間は「誰のもの」か、を考える

仕事に家庭に、自分以外のことに時間を割きがちな大人こそ、限られた時間をどう使うかが重要です。

そのうえで、「本当にやりたいこと」に向かってシフトチェンジする決断は、あなたの人生にとって価値ある一歩になるはずです。

「辞める=失敗」ではありません。
「辞める=調整」なんです。

習い事に限らず、選び直す力をもつことは、しなやかに生きていく上での大きな武器になります。

まとめ

大人の習い事は、続けることより「辞める判断」の方が難しいもの。

人間関係や世間体に悩む前に、自分の気持ちに正直になりましょう。

丁寧な伝え方と次のステップを意識すれば、「辞める」は前向きな選択に変わります。

自分の時間を、自分のために使っていいのです。